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5章:‡男尊女卑‡
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こっちはこっちで、バトってるようだ。
『あ、桜木さん!
今、みんな篠部さんのお宅に行ってる。
俺達も行こうと思ってるんだけど………』
と、秋本さんが、篠部家に目を向けた。
『あ!アンダが握り飯を届けたんけ!?
余計な事をしでぐれだな?
篠部は嫁をそんに甘やがさねぇやり方なんだ。
特に、サトエは喰う事と怠ける事しが考えねぇ、篠部の嫁ん中で一番どうしようもねぇ嫁だ。
お蔭でタケシがいっづも大変な思いしでるっでのに。
アンダが余計な事しだがら、オチオチ飲んでも居られねぐで、今、サトエを〆に行っだ!』
『余計な事ですか?
私はお昼ご飯に、おにぎりを届けただけです!
奥様方は、お昼ご飯がないそうじゃないですか!?
それで、よく、ご自分達だけ、飲み喰い出来ますよね!?
挙げ句、届いたおにぎりを食べたら、リンチですか!?
幾らご夫婦と言え、警察沙汰にします!』
『町じゃ、女がそんに威張るんが普通みてぇだけんど、篠部は女が好き勝手する事は絶対に許さねぇ!』
『そっさな!
況してやサトエは、持参金だっであれっぽっちだっだんだがら!』
『持参金?』
と訊くと
『そっだ、持参金だ!
女が嫁に貰って貰う時に、男側に払う金だ。
嫁に貰っで貰うっちゅーんは、一生そごん家の財産で世話になるっで事だ。
だども、それなりの金を納めで、親共々、頭を下げるんが筋だべな!?』
『サトエん家は親がだらしねぐで、持参金もマトモに納めねぇ。
そいでも、俺等篠部は賢ぐで器が有るがら、迎えでやっだんだ!
タカシは考えが有っで、飯を喰わせねがっだんに、余計な事をしでぐれで!
今、タカシど総本家で、〆に行ってらぁ!』
大変な事になってしまったようだ。
事の発端は、単なるおにぎりだったのに。
篠部家の皆様は、攻撃的な、粗暴な皆様だった。
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