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5章:‡男尊女卑‡ (2/54)

捜索が始まった。

皆様、分担して、あっちだのこっちだの。

飛鳥が呟いた。

高い場所。

私達も探しに行きたかったけど、真っ暗で、どうにもならない。

私は知らせに来たお祖母様の言葉が気になった。

黄泉の晩。

何なんだ?

そのキーワードで、皆様捜索を始めたようだ。

お鍋は放置された。

探しに出たのは男性。

女性は待機。

男性が居なくなった食卓に、女性が集まって来た。

皆様空腹らしく、手にはご飯を装ったお茶碗を持ってる。

でも、お刺身やお鍋は食べずに、煮物やお漬物だけ。

『少し位ぇ喰ったって、判らねぇべ?』

『んだども、みんなで喰ったら直んぐ 判るべな?

やっぱり女は、漬物で喰うんが、一番だ!』

『んだな?

筱部は特に煩いがら!』

と、1人の小母様が言った。

『んだども、岡崎ん家だっで丸岡ん家だっで同じだべサ!』

と、別の小母様。

きっと、筱部家の小母様なのだろう。

しかし、なんで?

『いんや、男が探しに行ってるっで言うんに、飯なんが喰っでる場合じゃねぇべな?』

と、お祖母様が。

みんな、一斉に食べる手を止めた。

まぁ、確かにそうなんだけど、でも、皆様ずっとお勝手に居て、お給仕してたのだから、ご飯食べる位は?

すると、筱部家の小母様が、私の
前を見て

『今夜は筱部の振舞いなんだけんど、家の人が女の人にも薦めだんけ?』

と訊いた。

何なんだ?

『いえ、渓流館のお夕食として、戴いてます』

と言った。
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‡ふぁみりぃず‡ ©著者:Jude(ユダ)

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