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2章:‡謎の来訪‡
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玄関に入って来たのは、ホームレスのような、ボロボロの女性だった。
『あの、ガロって人此処に居ますよね?』
応対に出た芳樹に、唐突に訊いた。
ガロは、私の二代目の彼氏、零士の源氏名。
『ええ、今呼びますけど、どうぞお入り下さい』
と、芳樹が招き入れた。
すると、その女性の足に隠れるようにして、小さな女の子も入って来た。
未だ、身長は私の腰迄有るかないか。
とにかく痩せっぽっちで、無表情だった。
新築の部屋に行ってた、零士がやって来た。
すると、その女性は突然
『あの、この子あなたの子供なんだけど?』
と言った。
肩から下げた、もう何時壊れてもおかしくないようなバッグを、上がり框に置くと
『これ、オムツとか入ってるから、後宜しく』
と言って、女の子を置いて、玄関を出て行こうとした。
零士も芳樹も焦って
《ちょ、ちょっと待って!》
と、慌てて止めた。
『あの、此処の家主なんですけど、突然お子さんを置かれても。
ちょっとお上がりになりませんか?
夜は未だ冷えますから、暖かい飲み物でも』
と言った。
女性は、少し躊躇してたが、やがて
『じゃ、少しだけ』
と言って、靴を脱いだ。
女性が靴を脱ぐと、女の子も靴を脱ぐ。
でも、その女性は女の子の事等、まるで眼中にないようだった。
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