ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

13章:兄と弟 (6/6)

夕方になると、兄貴が帰ってきた。

兄「黙ってて、悪かったな」

俺「話聞いたよ」

兄「そうか」

俺「ごめんな、兄貴」

兄「俺が、勝手にやってる事だから、おめえは、関係ないからな」

俺「ごめん、ごめん」

兄「気持ち悪いな」

そう言って、兄貴は、
風呂に入りに行った。

無造作に、置かれた
鞄から、はみ出る
くしゃくしゃの制服を
見て、俺は、毎朝の風景を思い返していた。

兄貴は、俺が居る時は、
朝、わざわざ制服を着て、学校に行く振りを
して仕事をしていた。
俺に心配をさせぬ様に
全ては、中坊の俺の為に
まだ、17の遊びたい盛りのガキが、無理矢理、大人にならなくちゃ行けなかった。

こんな馬鹿な弟の為に、兄貴は、夢も学校も捨てた。

自分が、ガキだったから、そんな事も、気付かずに、呑気に適当に生きていた自分が、情けなくなった。

兄貴の為にと、始めた
バイトなんか、兄貴の覚悟に比べりゃお遊びだった事に気が付いた。

兄貴は、今まで黙っていた。
そして俺は、今日その事実を知った。

なにも伝えないからこそ、より深く伝わる事があると俺は、この日、知った。

俺の為に、重い十字架を背負わせてしまった。

そんな兄貴に俺は、申し訳ない気持ちと、感謝の気持ちで、涙が止まらなくなった。


血を分けた、たった一人の兄貴の愛情と覚悟に、涙した日だった。

74 /1041

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

wild flower ©著者:ダディ

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.