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10章:失恋 (6/6)

玲「好きだよ、勇ちゃん」

俺「俺も好きだよ」

玲「でもね、付き合えない…可愛い弟としか見れない」

俺「そっか」

玲「ごめんね」

そう言って俺にキスをする。

俺「駄目なのに何でキスするの」

玲「何かごめん」

俺「分かったよ」

車を、降りようとする俺の腕を、掴む玲。

俺「どうしたの?」

玲「今まで通りやっていけないかな?」

俺「無理だよ。だって、俺好きなんだから」

玲「そっか」

そして、ドアを閉めた。

自転車のペダルを漕いで、自宅へと走らせた。

歩道を走る俺を、あっという間に抜いていく。
玲のサーフのテールランプが、遠くなるのを見ていた。

きっと俺は、ペダルを漕いでも玲には、追い付けない。
自転車と車、今の俺達を物語っていた。

5歳下の俺は、中学生。
大学生からすれば、子供だった。
これが中学生じゃなければなんて、たらればを言っても仕方ない。
俺の初恋は、無様に散った。

初めて恋をした。
精一杯背伸びをした恋。
そして失った恋。

思い出だけは、いつまでもほろ苦く残る。
手を伸ばせば、君の心を掴めると思っていた。

12月の寒い日の出来事
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wild flower ©著者:ダディ

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