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8章:初恋
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俺は風呂から上がり、パンツ1枚で縁側に腰を掛け夜風に吹かれていた。
おとんとおかんの仏壇に晩飯を供え、鐘を鳴らす。
自宅の電話が鳴った。
親方からだ。
親方「勇次か?もう着くから、外に出てろ」
俺「うっす」
俺は、タンクトップにハーフパンツを履き、たばこと財布を持ち玄関に鍵をした。
家を出て道路沿いに出ると、親方のクラウンが向かってきた。
助手席に乗り込むと親方は、いつもと違い正装していた。
俺「飯っすよね?どっかの一流ホテルっすか?」
親方「何でガキと、一流ホテルでディナーしなきゃならん」
俺「いや、格好が(笑)馬子にも衣装っすね」
親方「この野郎」
いつもは、ニッカポッカだった親方が、ブレザーとスラックスで決めていたが頭は、ハゲあがっており、見た目は正装したキューピーちゃんだった。
親方「取り敢えず飯だな。何食いたい?」
俺「肉か寿司っすね」
親方「図々しい野郎だ」
俺「腹減ってるんで」
親方「なら肉だな」
地元の焼肉屋へ行き、注文を済ませると、親方は、誰かに電話をしていた。
親方「おお、すぐ行くよ」
電話を切り、肉を焼き始める。
俺「やっぱカルビっすね」
親方「さっさと食え」
俺「どっか行くんすか」
親方「お前、明日休みだよな?」
俺「そうっすね」
親方「大人の世界を味あわせてやる」
俺「親方ホモなんすか?」
親方「この野郎」
俺は、親方から拳骨を貰い焼肉屋を出た。
車を焼肉屋に置き、駅近くに停車していた、タクシーに乗り込んだ。
親方「オリーブに行ってくれ」
俺「オリーブ?」
親方「行けばわかるよ」
俺「まだ心の準備が」
親方「黙ってろ」
俺「意外と強引なんすね」
また拳骨を、貰いタクシーは、オリーブとやらに出発した。
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