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2章:母性
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夜、眠りにつく時は
先に子供を寝室へと連れていく。
昨晩も子供を寝室に連れていった後
消灯の準備をしていた。
テーブルの上を片付けていると
小さな声が聞こえた。
(なんだろう?)
テレビを消すとはっきり聞こえる。
「にゃあ、にゃあ」
笑。
そっか、
今日は猫になったんだね。
早く行ってあげなきゃ。
灯りを消して寝室へ行くと
毛布を抱えて
香箱座りでにゃおにゃお。
「あ、かわいい猫ちゃんがいる」
私が言うと顔をあげてにゃおにゃお。
早くお布団に入ろうと言っているようだ。
一緒に布団に入った後も猫のままで
私が話し掛けても返事はにゃお。
腕の中でずっとにゃおにゃお甘えていたのだが
急に起き上がり私から離れた。
「?」
子供はお気に入りの毛布を手繰り寄せると
これまたお気に入りのぬいぐるみを包んで抱っこした。
オーマイガーっ!
なんだその尋常ならざる可愛さは!
破壊力ありすぎだろ!?
少しの間その様子を楽しんでいたのだが
子供の体が冷えてしまうと良くない。
「うさたんも一緒にかぁたんのお布団にどうぞ」
そう言うと子供は
ぬいぐるみを包んだ毛布ごと抱えて私の布団に入ってきた。
私の腕の中には子供。
子供の腕の中にはうさたん。
「みんな一緒だと暖かいね」
「うん」
もう、
猫ではなかった。
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