断った理由はオーナーへの恩だ

どこも行き場所がない俺を雇ってくれて店に住ませてくれた

その気持ちから店長の店には行かなかった

夜を始めて５カ月目に入ろうかという時

店長は従業員を全員連れて独立した

俺をこの世界に引き入れたT君も店長について行った

Cに残ったのはオーナーと私だけ

オーナーが言う

『iは何でついて行かなかったの』

『店長よりオーナーの方が好きだからです』

『よし！iの為に寮をつくる！
とりあえず百万貯めるからそれまで待て！』

素直に嬉しかった

オーナーは店にあまり来なくなった

『何で来ないんですかー！？』

オーナーは決まって言う

『物件探したり色々忙しいんだよ！わりぃな』

それ以上は何も言わなかったし聞かなかった

オーナーを信じ、１人で店を開け営業していた

辞めて行った従業員のお客様がたまに会いに来てくれる

決まって辞めて行った従業員の愚痴や恋愛相談

そのお陰で店はどうにか成り立っていた

『オーナー！いくら貯まったっすか？』

『今90万位！』

もうすぐだ…

待ち遠しかった

寮が出来るその日の為に一生懸命頑張った

オーナーへの信頼は深まって行った

そんなある日…