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25章:フェチズムの沼
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25章:フェチズムの沼
記録的な残暑の続いた九月を締め括り、十月を迎えても、まだまだ上旬は夏日が続く。
ここ名古屋も例外なく、日中は汗ばむような陽気だった。
それでも夕刻の翳りは加速し、大気も澄んできて、ようやく秋の気配を感じられるようになってきたが、今年の山粧う錦秋は例年よりも遅くなりそうだ。
そんな季節の変わり目と無関係とは言えないが、なぜか無性に悶々と浮かび上がってくるのは、毎度お世話になっている嫋々としたオキニのシルエット。
七月の水着コスで遊んで以来、二ヶ月も肌を触れ合わせていなければ、性的欲求と言う名の酸素が不足し、新たなボンベで補給しなければいけなくなる。
そのために収入から差っ引いていた軍資金を手に取り、前日は今池でしこたま飲み明かしてスタンバイしながら、翌日には彼女の予約を取り付けた。
まだまだ暑いから、もう一度水着を着せた彼女と遊ぶべきか、はたまた季節の移ろいに合わせて、OLコスできちんと着衣した彼女とプレイに臨むべきか。
そんなことを上の空で考えながら時間をやり過ごし、その決断は受付後のコスチュームを選択する間際までお預けとなっていた。
スタッフの案内でプレイルームに入り、ひとりシャワーで身体を清める最中に入室してきた彼女のぼやけたシルエットを、湿気に曇るメガネ越しに覗き込む。
ベッドの前に横向きで立ち、準備を整えた彼女の美スタイルは、覗き窓の枠がいつもより狭めなうえガラス粒子の厚みも影響して、下半身だけがかなり濃いめのモザイクに掛けられたように浮かび上がるだけだ。
不明瞭に映じられても、大胆に露出された脚線美は濃い乳白色にどこかバラ色のような明るみを含み、むせぶようにぼやけたスカートの色彩も、鮮やかなブルーに主張されている。
脚に対する己の性的嗜好を最大限に引き出してくれるビンゴな衣装に、この上ない期待感で胸がワクワクと疼いた。
アコーディオン扉を開いて、その全貌が明るみになると、前回のかっちりとしたOL衣装よりも無防備なものに脳がかぁっと焼けた。
純白のボタンダウンのブラウスに、真夏の空を思わせる深い青色のタイトスカート。
心の落ち着く、万人に好かれる色相の組み合わせにムラっとくるばかりか、さらに追い討ちを掛けたのがその丈の短さだ。
1cmでも捲ってしまえば、パンツが見えてしまいそうなほど極端に短いのだ。
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