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16章:16殺「俺のモノ」
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「(結城、俺・・・お前を守れなくてごめん。ただ、結城。彰仁は何を考えてるか理解出来ねぇ。颯良を異世界に送って颯を戻らせるって言ってたけど、颯をこっちに親子揃って帰れる保証はないだろ?お前は天国でどうなるか見てほしい。彰仁に疑心暗鬼な気持ちなんだ。)」
と言って、席に着いた。花を手向け、式場の霊安室で結城の棺を納め、明日の為に二人は葬儀場の送迎車に乗って彰仁のマンションへ帰った。
しかし、彰仁はマンションの入り口で諒に話す。
「……諒、今日は俺と一緒にいてくれ。俺は結城のことを愛してる。しかし、その次に愛してるのはお前なんだ」
と言って彰仁は諒に抱きつく。諒は心からドン引きしたのは言うまでもない。
「お前さ、高校の時彼女いなかったっけ?彼女とそのまま20代の時に結婚したって俺思ってたけど・・・こんな状況で何を言ってるの?」
と抱きついた彰仁を突き放して引いてしまった諒の顔を見ながら彰仁は言った。
「……俺はバイセクシャルだ。女もいけるが男もいける。でも当時の彼女は別の男と結婚して中一の息子がいる。俺は、彼女と別れて結城とお前を愛してるんだ。高校からのダチだろ?俺とお前は・・・。なんで俺の気持ちが分からないんだ?今は同性カップルだって昔に比べたらいるじゃないか。俺と真剣に付き合ってほしい。」
と頬を赤らめて諒に告白する園芽学園の先生。諒はノンケだからバッサリと断った。
「ごめん。俺、そっち系はアウトオブ眼中なんだ。多分、結城が生きてたら俺と同じ答えを言ってたと思う。じゃあお前は何で颯良をジョーカーとか言って颯を探す旅に出させたわけ?異世界の次元の歪みはもう閉じた。帰って来れないリスクがあるのにお前、最低だよ……。悪いけど、俺、自分家に帰るわ。殺し屋で貯めた金で一軒家建ててるから。」
と言って、諒は彰仁を置いて徒歩で帰った。皮肉にも彰仁のマンションの近くに一軒家を買ったことに後悔した。
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殺人ゲームU ©著者:霞夜穢月
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