12章:12殺「彰仁に嵌められた男」 (2/9)

何故、春人を捕まえてほしいか道臣に理由を話す。

かくかくしかじかで彰仁は理由を話し道臣は納得した。しかし、颯良のことを考えたら彰仁の作戦に複雑な気持ちを抱える。

「「次元の歪みの監視者が、あの坊ちゃんの豪邸か。もう、亡くなって24年になるが、牧夫のことを考えるとどうも怪しいとは思っていた。颯は私の大切な息子だし、颯良は大切な孫だ。しかし、颯がその異世界とやらで生きていると想定すると、やはり殺人能力者である颯良を異世界に送らせることになるのか……。ちゃんと颯良は颯を連れて帰ってくるだろうか？この世界では死んで墓まで作ったのに春人の人形が颯だったとは……。」」

と道臣は電話口で、彰仁に話す。

「……はい。俺たちは春人に騙されたのです。あいつの完璧な颯そっくりの人形を作り、葬式までさせて墓まで作った。全てが台無しになってしまったのです。颯は多分、苦しんでるはずです。颯は春人の罠によって異世界に送られたのです。春人によって無関係の人々は殺されました。日本における最悪な凶悪殺人事件の犯人なんです。」