8章:念願叶って (2/11)

育児に追われて
時間はあっという間に過ぎていく。


美果からはその後の様子については聞かされてないが、なんだか１つ、大人になったような雰囲気はあった。

分厚くて高い壁を越えたんだと思う。




藤宮くんは底抜けに明るく、数回うちに夕飯を２人で食べに来た時
悠仁とも意気投合していた。




悠仁『あいつ、信じられないくらい良い子だよね。

なんだかお似合い。』



私『でしょ。

ずっと一緒にいてほしい２人だな、って。』


悠仁『俺らもな。

最近体調どうなの。
まだ優れない感じ？』




実は最近
悠仁の誘いを数回断っていた。
なんとなくする気になれないし、双子で手一杯なのにまだ子作りしようとしてるから。




悠仁の事は愛してる。
ちゃんと避妊してくれなければ、ﾃﾞｷない。
こんなに愛されていて
働かなくても裕福な生活させてもらってるのにわがまま過ぎるとは思うけど。




保育園に行き出して
ようやく自分の時間が持てるようになったばかり。
少しは休みたい…。





そんな時に意外な誘いが来た。


美果経由で藤宮くんからだった。






近々、中田くんが都内で仕事しに来るからみんなでご飯でも、という話。







行ける訳ないじゃない…。