1章:出会い (5/5)

終わりが近づいて来る頃、その人は現れた

他の人とは少し雰囲気が違う
オーラがある感じ

鏡の前に座り携帯を見ている彼にケープをかける

鏡越しにチラッと私を一瞥し、また携帯に目を向ける

小顔でスタイルも良く、いい香りがして、売れっ子なんだろうとすぐにわかる人だった


「何見てんの」

彼は携帯を見つめたまま冷たく言った

「え…あ、すみません」

「キミがヘアメイクするの？できるの？」

「いえ…その…」

冷たい声と目つきのまま、私を見据える

「今日初めてで、そのヘアメイクは」

しどろもどろになりながら先輩がする事を伝えようとする

「え？ヘアメイク初めて？大丈夫なの？」

「ちがっ…」

「その子手伝い頼んだ子で、ヘアメイクは僕がします」

先輩が割って入り、小声で私にもうすぐ終わるから片付けよろしくと言った

片付け始めると愛想よく話しかけてくれたホストがきて、あの人ハルさん。カッコイイでしょ！憧れなんだよねと言ってきた

私は愛想笑いで頷きながら


なんだアイツ感じ悪い

心の中で思っていた


それが彼との初対面

そして第一印象だった