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5章:その先
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私は相変わらず月の半分は沢村といた。
居場所がわかって1ヶ月が経過した。
沢村『母親はもう長くはないかもしれない。
この病院にいるそうだ。』
うちからだいぶ離れた場所にある病院だった。
麻友『ありがとうございます。』
やはり悩む…。
拒否されるのはわかるから。
でも行く事にした。
ナースセンターで名前を書き、指定のバッジをつける。
病室の名札を見た。
【松倉静香】
確かに名前はある。
あれから籍入れたんだ。
4人部屋で、他3人はそれぞれ面会の人がきて静かではあるけど多少の話し声がする。
麻友『松倉さん…』
面会がない母親のベッドはカーテンがひかれていた。
母親『はい…』
掠れた小さな声がした。
麻友『麻友です。』
母親『え…?』
麻友『開けて良いですか』
母親『どうぞ…』
私に馬乗りになって、誰だかわからなくなるくらい殴ってきた母親の面影を探す。
探さなきゃいけないくらい、見た目は変わっていた。
麻友『ご無沙汰してます。』
母親『なんできたの。
どうやって知ったの。』
途切れ途切れ、ゆっくり話す母親
麻友『光太郎がどうしてるか気になって、調べました。』
母親『そう…
笑ってもいーのよ。』
麻友『笑うだなんて…』
母親『無様な姿ね、って。』
年齢+20くらい
老婆にしか見えなかった。
実際は50歳になるかならないかのはずなのに。
麻友『笑えません。
戦えないあなたに、興味はありません。』
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なしじゃ生きられない ©著者:愛希
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