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45章:美女と豚 (1/24)

45章:美女と豚

「はぁ、結局お昼食べ損ねちゃったなぁ。」


廊下を引き上げていく生徒達の楽しげな声が踊る中、ゆかりが上の空でぽつりと呟く。


「ゆかりはそれどころじゃなかったでしょ?

山田君にあんなこと言われて。」


いやいや、優子先生の方がもっと大変な事になるんだカラー、余裕の表情で私を心配している場合?

と言わんばかりの視線で隣を歩く優子を見やるや、罪悪感に苛まれているというよりどこかときめいているような感じだった。

この女、本気で警察の取り調べでも淫行を仕掛けかねない。

ゆかりは憂慮するが、やっぱりその度胸が欲しいと感銘するばかりだ。

学園の昼休みは一般企業と同じカリキュラムで12時から13時までの一時間だ。

午後の始業時間まであと10分、優子とゆかりは別の教室でそれぞれの授業を行わなくてはならない。

ベンチにたむろしていた女の子達、ボール投げして楽しんでいた男の子達が、潮を引くように中庭から引き上げていくのが見える。

午前中にほろほろと窓から降ってきた温暖な陽の光は、すでに校舎の北側を照らしているのだろう、煙るように仄かに色を薄めてきている。

中庭に面した南側の廊下に肌寒さが走る。

生徒達の喧騒が鎮れば、ちょっと不気味に映るかもしれない。

東階段の手前を境に、二人は離れることになる。


「優子先生、またね。」


「ゆかりもしっかりと学習してくるのよ。」


それぞれ手を振って、優子は英文のタッチタイピングスキルを養成する三階のアクティメソッドルームへ、ゆかりはコーナーより奥ばった日本史史料室で授業の見学へと向かっていった。


「あれ?」


コーナーに一歩足を踏み出すと、窓枠に腕を掛けて身を乗り出し、風を浴びながら誰もいなくなった中庭をぼんやりと眺めているふくよかな男性教師が遠くに見えた。

近づいてみると、窓から吹き抜ける風が身体に当たって体温が奪われそうになる。

四月初頭の快晴日和でも、標高の高いこの地の日陰はいくらか冷たさが残る。


「西郷くん、こっちにいるなんて珍しいね。

こんなとこで何してんの?」


普段は反対側のスポーツの塔で島津の助手に励んでいる同期の西郷吉之助が、始業時間間際にこんなところで油を売っているなんて、どこか奇妙な感じがする。

まるでゆかりを待ち伏せしていたかのようなタイミングと佇まいに悪寒さえ覚える。


「ゆかりどん…」 西郷が太い眉にぎょろりとした目をゆかりに向けた。
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三人の女豹女教師 ©著者:小島 優子

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