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20章:龍馬の策略と正体
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そんなアウトローらしからぬ方針に批判の声も上がったが、有言実行をモットーとする龍馬は、どんなに壁にぶちあたってもヘラヘラとした顔で簡単に乗り越え、いつしか組の上層部から下層部に至るまで龍馬を悪く言う者は次第にいなくなった。
龍馬を外まで見送りに行った木戸を含む構成員達は、愛車のポルシェが見えなくなるまで頭を下げた。
フロアーに戻った彼らは、宴を中止して即会議が行われた。
これを取り仕切ったのが、DJを務めていたサブリーダーの川口雪蓬(せっぽう)である。
リーダーの木戸は龍馬の小言が余程こたえたのか、場を取り仕切る気力が失せていた。
有馬達早応三人組は元々は真面目な学生であり、ツッパって背伸びしようと軽い気持ちで組織入りしてしまったことを後悔し、生まれて初めて鼻血が出るまで暴行された恐怖が忘れられず、身ぶるいを抑えることが出来なくなった。
しかも、敵対しているとはいえ、同じ学校で同学年でもある赤山雪絵に対するハンパない執着心に怯える三人は、蒼白した顔を一変することもままならなかった。
会議は龍馬が示唆した題目で進められ、どのように雪絵を拉致するか一人一人に意見を求めたが、考えることが苦手な構成員達は言葉を詰まらせるばかりで、とても会議と呼べるものにはならなかった。
これをバカバカしいと感じた木戸がようやく口を開き、龍馬の口車に乗せられた川口らに悪態をついた。
木戸「川口ぃ〜、オメー随分と偉くなったモンだなぁ?
さっきっから聞いてりゃあ、オメーら龍馬の言いなりみてーで見苦しいゾォ?」
川口「木戸! お前龍馬様に対してそんな言いぐされはねえだろ!」
川口は唯一木戸と対等に言葉を交わせる人物だ。
しかし、木戸から滲み出た血も凍る微笑に刺すような顫動が背中を駆け抜けた川口は、身じろぎも出来なくなった。
木戸「お題変更だぁ。
どうしたら龍馬を抹殺できるか、今から考えろや!
雪絵ちゃんの件はなぁ、とにかく手段を選ぶな!
オメーら、俺が殺しやってネンショー送りになってんの知ってんよナァ?」
やはり木戸は恐ろしい男だった。
雪絵を自分のモノにしたいがばかりに、世話になった先輩までも消滅させるつもりである。
恐怖を一面に現した冷酷な形相に、怖い者知らずの構成員が奮え立ち、股間を湿らせる者もいた。
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三人の女豹女教師 ©著者:小島 優子
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