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10章:由羅の本性とゆかりの憂鬱
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調所「由羅、お前が大学に行っていた頃、お前のよからぬ噂を耳にしたものだよ。
小島先生が言っていたあれは本当かね?
お前は大学時代、何で生計を立てていた?
あの舌技を見る限り、まともな職種ではないよな?
もうお前には頭が上がらん。
何も催促しないから、本当のことを話してくれないか?」
調所は大学時代の由羅の素行をひどく心配していた。
急に羽振りが良くなり、誰よりも美しい容姿を手に入れた由羅は、あっち系で荒稼ぎしていると噂されていた。
観念した由羅は、初めて父親に大学時代の素性を明かした。
由羅「ソープよ!
川崎堀ノ内の高級店でナンバーワンまでのし上がったわ。
でも、あの舌技は生まれもったものよ。
この舌ひとつで大富豪の顧客を掴んできたの!」
由羅は舌をニョキっと突き出し、それに指差しをした。
調所「やはりな…。
だからあんなこと思いついたのか?」
新任教師の中に恨みを持つ優子がいたことを知った由羅は、休憩の合間にトイレに駆け込み、学園の発言権を巡って舌技対決を申し出るよう調所に電話を掛けて催促していた。
調所は初めはかたくなに断っていたが、責任は全て自分が被ると、初めて見せた愛娘の真剣な意気込みを尊重してしぶしぶ了承した。
敏腕理事長であり、エロ男爵とも呼ばれた彼が提案するのならば、誰もがその卑猥極まりない対決に納得するだろうと思い込んでいたが、実際はそんなに甘くはなかった。
舌技では絶対に優子に負ける気がしなかった由羅は、発言権を利用して優子を窓際に追いやり、精神的ダメージを与えることが狙いだった。
調所「それより、由羅。
ソープのことは島津先生は知っているのかい?
本当にお前は島津先生と結婚する気はあるのかね?
まさか、彼を騙している訳ではないだろうな?」
調所が疑うのも無理はなかった。
男気のある真面目な彼が、ソープで働いていた由羅を奥さんとして迎え入れる訳がないと信じていた。
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三人の女豹女教師 ©著者:小島 優子
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