プレイを終えて、一目散に向かったのは、夕方に散歩に来た浜大津だ。

どう考えても、あそこが大津の繁華街だろう。

あの寂れた繁華街がどんなものなのか、この目で確かめる事も一興だ。

路面電車が走る大通り沿線に、いくつかコインパーキングが点在していたことは確認済だ。

その中のひとつに駐車して、たった一軒のキャバクラがあった駅前へと足を進める。

駐車場の大半が小規模なスペースだが、週末の夜とは思えないくらいガランとしていた。

先述した通り、びわ湖浜大津駅から大通りを跨いだ一帯は、小規模な昔ながらの酒場が目立つが、その中でも、ダイニングと表記された店舗もあった。

そこが「立呑みダイニング くらや」である。

ゆっくりと座って呑みたい俺にとって立呑みは抵抗があったが、ここぐらいしか興味を引く店舗がなく、滋賀の地酒の銘柄が記載された表の大看板にも興味を惹かれていた。

そこで、手始めの居酒屋タイムをここに決めて入店する。

営業時間は０時までのようで、ラストオーダーが近いせいか、立呑みを楽しむお客さんは数えるくらいしかいなかった。

店員さんの説明によれば、１Fは立呑みフロアー、２Fはいす席に分かれているようだ。

迷わずにいす席を希望し、２Fへ案内させるが、１４席あるこの空間は俺の貸し切り状態となっていた。