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8章:嫉妬
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「。。。さ!まさ!早く起きて!」
「。。。ん。。あ、おはよ。。。何時?いま。」
「5時だよ。」
「えーっまだ5時〜〜。」
「もう、出かけるよ!」
「え!もう?」
眠い目を擦りながら布団から這い出ると、ヒカルは既に着替えもメイクもすっかり終わっていた。
「はい、これ着て!」
と、この間、買ってくれた服の中からセレクトしたものを渡される。
慌てて着替えて、二人分の荷物を持ってアパートを出る。
路地を数回曲がると、そこは別世界。高級住宅街に入る。
こんな近所でも、特に用事もないから、立ち入ったことはなかった。
高い壁が道の両側に立ちはだかり、ヒカルさんの小気味好いパンプスの足音が共鳴する。
「ここが◯◯の家で、ここが◯◯。」
ヒカルは著名人の名前を次々と挙げる。
とんでもない人かも。。。
おいらは正直、ビビった。
すると、突然、
「あ、パパ〜〜!おはよう!」と、手を振る。
えっ!パパ⁈
「おぉーヒカル、おはよう。」
「ゴルフ?」
「うん。お前らも行くか?」
「まさ、ゴルフしないし!これから温泉なの。」
「あー、君が、マサくんか〜〜!
」
「はじめまして。。。」
「ママ〜〜!ママ〜〜!うちの大事な娘を泣かせた男の子が来たよ〜〜!」
「パパ、朝から大声でなにいってるの〜〜、やめてよ〜〜!」
玄関が開き、お母さんが出てきた。
「おはよう、ひかる。あ、あなたがまささん。うちの娘がお邪魔しちゃってすみませんね。あらやだ!私、お化粧、まだだったわ!」
「・・・・・」
開いた口が塞がらないとはこのことか。
「あ、そうだ!明日、温泉から帰ってきたらうちでご飯食べなさい。ね!いいでしょう?パパ!」
「おっ!いいね!娘の接客がどんなもんかも聞いてみたいしな!」
「じゃ、決まりね!とびっきりのご馳走、用意しなくちゃね。」
話には聞いていたが、やはり余程、変わった家族だ。
ん、ひかる?お父さんもお母さんもそう呼んでたよな?
ヒカルさんってもしかして本名もひかる?
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