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6章:サラバ東京
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こうしてみると、それなりに楽しんでいた東京ライフ。
しかし、ケイコと別れてからというもの、強い孤独感に襲われていた。
正月を迎え、地元に帰り、友人達と大いに遊んだ。
その年は、成人式。それに合わせて再び帰省。東京に住所を写していたおいらには、当然、式の案内は届いていなかった。しかし、友達に紛れて式に参加した。
式自体は堅苦しいものだったが、その後に市がホテルを貸し切り、懇親会の場を設けてくれていた。
懐かしい同級生たちと久々の再会。初恋のあの子も居たりして。
東京へ戻ると、反動から更に強い孤独感に襲われた。
そして決定的な出来事となった沖縄への社員旅行。
我々東京組も勿論、参加。沖縄で本社組と合流した。
同期の奴らと大いにはしゃいだ。
夜通し酒を飲み、1月だと言うのに海に飛び込んだり花火をしたり。。。ちょっとしたトレンディードラマのようなシチュエーションだった。
そんな楽しい時間もあっという間。
東京に戻るが、仕事への意欲すら薄らいで行く。今思えば、完全に鬱。
ある朝、目を覚ますと、身体が鉛のように重く、布団から出られない。目から勝手に涙が溢れてくる。。。暫く、ワンワンと一人泣き。
気がつくと、おいらは実家に電話していた。
電話に出た母に、唐突に、号泣しながら、
「もうダメだ。無理だ。」
と、繰り返していた。
電話の向こうでは慌てた母が、父に受話器を渡していた。
電話の向こうの父は
「どうした?大丈夫か?」
と声をかけてくれた。
おいらは相変わらず、
「もうダメだ。無理だ。」
を、繰り返す。
「すぐに帰ってこい!」
父の一言にハッと我に帰る。
「でも、仕事が。。。」
「いいから帰って来い!」
「分かった」
おいらは着替えも持たず、財布だけポケットに突っ込んで、新幹線に飛び乗った。。。
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天使たちの微笑み ©著者:ハッシュ
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