2章:初づくし (2/17)

「こんにちは」

おいらの目の前には、眩しいばかりの笑顔の女の子が立っていた。

その隣では、伊藤さんとその妹がニヤニヤとしながら、照れるおいらを見ている。

伊藤さんは、先日の話の後、バタバタと予定を組んで、紹介の場をセッティングしてくれた。

彼女の名前は「ケイコ」。
一つ年下の高校3年生。
歳は一つしか変わらないが、「女子校生」という響きに、なんとも言えない高揚感と罪悪感を覚える。

スラっとしたスタイルに円らな瞳。一目惚れ確定の容姿である。

彼女は、伊藤さんの妹のバイト先の後輩。だから、4人で遊びに行くことになった。

4人で伊藤さんの車に乗り込んだ。
おいらとケイコは後部座席に並んで座る。

互いに、ぎこちない自己紹介を済ませるものの、会話が続かない。
会話が途切れると、伊藤兄妹がサポートしてくれた。
この伊藤兄妹、友達いや、恋人のように仲がいい。おいらと妹は、伊藤さんの家に遊びに行って何度も会っていたから、この時には既に友達のようになっていた。

時折送られる、ルームミラー越しの伊藤さんのニヤニヤした視線が気になって仕方がない。