1章:性欲への誘い（いざない） (6/6)

高校時代はバイトとバイクに明け暮れた。

恋愛は相変わらず、パッとせず。
バイト先には結構、女性もいて、「女友達」も出来た。その中の一人に告白してみたりもしたが、成就はせず。
告白した話は瞬く間にバイト仲間の間に広まったものの、仲間も告白した女の子も、笑い話として流してくれたのがせめてもの救いだった。

結局、高校でも女性と付き合うことはなく、相変わらず右手が恋人、たまに左手に浮気。

高校卒業後は、地元の企業に就職。
仕事にも徐々に慣れてきた夏、高校時代のバイト先にふらっと顔を出した。

ちょうどおいらがバイトしてた頃から、よく面倒を見てくれた大学生の伊藤さんが居た。

「おっ！久しぶりだな。」

伊藤さんは相変わらずの優しい笑顔で迎えてくれた。

暫く、たわいもない会話をしていると、伊藤さんが突然、

「そういえばお前、彼女できた？」

と切り出した。

「いや、相変わらずの独りもんですよ、エヘヘ。」

「じゃぁ、いい子いるから紹介してやるよ。今度、一緒に遊びに行こうぜ」

就職してからと言うもの、出逢いがなくなっていたおいらは、二つ返事で了承した。