1章:＃1 (38/39)

「今は向こうとつきあってんの？」

「……。」


返事はできなかった。
詳しく話をするつもりもない。


「？
まぁ、人の恋愛に首突っ込む気はないけど。益々面白いな、葉月ちゃん。

これからは別の店にしよう。
此処じゃ見たくないモンも見ちゃうかもだし。」


タイミングよくリゾットが運ばれてきて、手際よくアルトくんが分けてくれた。


見たくないものか…
綾哉はよく来てるんだろうか。


「…ありがと。」

「熱いから気をつけてね。」


チーズとトリュフがたっぷり入ったリゾット。


「おいひぃ。」

「よかった。おいひぃって熱かった？笑

葉月ちゃん、クールそうに見えてちょいちょい可愛いよね。」

「そーゆーのいらないから。笑」


なんか昔、同じような事をカイリくんに言われたな。やっぱりあれはホストの社交辞令のようなものだったのか。


「そうだ。ゼロのレイって知ってる？」

「レイくん？知ってるけど。」


今さらそんな前の事を思い出してガッカリしてもしょうがないけど。