5章:転機 (7/7)

「玲奈？おはよー！」

「あ！かすみんおはよ！」
昨日のこと聞くべきか、話してくれるのを待つべきかわからなくて私は黙ってしまった。

すると玲奈が小さな声で耳打ちする様な形で言った

「昨日のオーディションね、三次面接で落ちちゃった！
みんな細くて、可愛くてびっくりしちやったよ…
やっぱり美少女コンってレベル高いね！

私みたいなブサイクじゃオーディション受けに行ったのが恥ずかしく思えて悲しかった。。
連絡いれなくてごめんね？」

「そっかぁ…東京ってそんなレベル高いんだ…
オーディションお疲れ様でした！
私はもう玲奈の友達であり、ファン一号なんだから、そんな悲しいこと言わないの！！
堂々としなさい！！
またオーディション受けたら教えてね！」

「有難う…かすみん…」

玲奈は寂しげに、今にも泣きそうな顔でふっと笑った

それから玲奈は月に3箇所ぐらいずつ、色んなオーディションを受けていた。

二次以降は東京まで行かなきゃいけないらしく、私と玲奈が休みの日に遊びに行く日がだいぶ少なくなっていた。

寂しさを紛らわす為に私は更にバイトに励む事にし、何もない日がないように予定をびっしり詰めた。