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21章:家族
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21章:家族
瑞穂がシャワーを浴び部屋に戻ると、テーブルにシャンパンが用意されケーキがフルーツに囲まれデーコレーションされていた。
目を見らき首を傾げた瑞穂に、広樹は情けなく笑っていた...
瑞穂「 へ?? 」
広樹「 happybirthday 瑞穂。 お前、やっぱり忘れてたんだな... 」
瑞穂「 私、誕生日!? だから今日こんなに豪勢なの!? 」
広樹「 お前は人の事ばかり。 蓮や俺にはご馳走作って祝うのに、自分の誕生日は毎年忘れるんだな... おめでとう。 」
瑞穂「 すごい... 」
瑞穂はロウソクが灯されたケーキを眺め写真に収めていた。
自分の誕生日すら忘れていたのだ。
子育てに庭いじり、家事にシンヤの店の手伝いと毎日があっという間に過ぎていたのだろう...
広樹「 ロウソク、消さないと溶けちゃうよ? 」
瑞穂「 あ... 」
息を吹きかけ消された炎。 広樹は待ち構えていたシャンパンをグラスに注いだ。
広樹「 おめでとう。 」
瑞穂「 ありがとう。覚えててくれたんだ。 」
広樹「 毎年忘れるなんて、本当可哀想で涙がでるよ。 」
瑞穂「 お祝いなんて慣れていないものでね。 」
広樹「 乾杯。 」
瑞穂「 乾杯。 ママの誕生日なのに、私たちの息子は厄介払い? 」
広樹「 今日は母親忘れて女として過ごして欲しかった。 おれも、父としてじゃなく男として、たまには2人で過ごしたい。 」
瑞穂「 蓮... 大丈夫かな。 」
広樹「 大丈夫。 キミエさんの下手くそな絵に笑ってるムービー送られてきたよ。 ライオンキング見ながら寝たって。 だから、安心しな? 」
瑞穂は広樹の携帯からムービーを 拝見し微笑んでいた。
やはり母は常に子供を心配しているのだろう。
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