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3章:行方
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「子供産んで、もし俺が別の誰かと結婚したら」
「…」
「子供だけが残るんだぞ?」
夜が明け始めたのだろうか。
遠く、鳥が鳴く声が聞こえる。
「そうなったら、いくら俺を恨んでも取り返しつかないぞ?」
「恨まないよ」
はっきりと、私は言った。
一瞬戸惑うタクトに、少しだけ笑う。
子供が出来たと気付いてから、沢山考えた。
あり得ないこと、あり得ること。
泣くであろうこと、喜ぶであろうこと。
色々、苦労することも、辛いことも、予想ができて。
でも、最悪のシナリオは、私が子供を諦めることだけだった。
「言ったよね?一人で育てられるって」
「うら、でも…」
「おろしたほうが、きっとすごい恨む」
何があっても産むよ、と。
もう一度、私は言った。
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そばにいなくても ©著者:うらら
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