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8章:東京事変
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「それと、ホストは禁止。つきあいでも行くな。」
「……はい。」
綾哉は大袈裟に溜息をついた。
「好きな女に夜の仕事なんてしてほしくないのに。はい!」
投げやりにそう言ってみせた綾哉は、紙袋を差し出してきた。
「仕事終わったら渡しに行こうと思ってたけど、ここで会ったから。
罪滅ぼしってわけじゃないけど…。おまえが辛いのは俺のせいだって分かってる。
でも澪に側に居てほしいんだ。」
まだ少し不貞腐れた口調なのは、やっぱり働いてほしくない意思表示なのか。
ルブタンの紙袋には、箱が入っているのが見えた。
「一流の靴を履いて相手を迎える。最高のもてなしの基本だって、うちの代表が言ってた。」
「…黙っててごめんね…ありがとう。」
「うん。ほら、ヘアメあるんだろ?早く行きな?」
ホストになって男レベルが上がったのか、あたしよりもずっと大人に感じてドキドキした。
こうやって、あたし以外に何人ドキドキしてる人がいるんだろう。
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Addiction ©著者:結月 杏奈
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