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5章:intersection (31/31)




「もうすぐ卒業式だね。」

「そうだな。おまえ式出る?」

「え?出ないの?」

「だるくない?」


予鈴がなって、どちらともなく立ち上がった。


「これからさ、帰り一緒に帰ろうか?」


教室に続く廊下。あたしの前を歩く綾哉。


「どうしたの?いきなり。」

「高野が接触してくるかもじゃん。」


いつか委員長が、綾哉の事を用心棒って呼んでいたのを思い出した。


「それって、クラス替わっても?」

「あぁ。」


そう言って欠伸をする彼を見ながら、足取りが軽くなった事は内緒にしておこう。


綾哉にとって深い意味はなくても、綾哉の一言一句はあたしを幸せにも不幸にもする。


そんな事にすら、この頃のあたしは気づけていなかったのだけれど。


こうしてあたしたちは、春を迎えようとしていた。




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Addiction ©著者:結月 杏奈

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