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2章:モラトリアム (36/37)




「こんなところで何してるの?」

「……涼子。」


後ろに立っていたのは、あたしの姿を見て心底不機嫌そうな涼子だった。


「……ねぇ、その首…クスッ。」


まるで汚ない物でも見るように、吐き捨てるように笑い、涼子は勢いよく準備室の扉を開けた。


「___桐谷くん、居たの。」

「居たよ、…って、澪?なんで此処に。」


中の二人と目が合った。


「桐谷くんを迎えに来たんじゃないの?それにしても、ちょっと激し過ぎない?キスマークなんてあんな堂々と。」


そうだ。涼子はあたしたちがそーゆー関係だと思ってるんだった。
(バカ綾哉のせいで。)


「余計なお世話だよ。澪、戻ろうか。」


椅子が散乱した室内。机の上のファイルや書類も床に散らばっていた。


高野を見ると、彼もこっちを見ていた。


「澪、行くぞ。」

「……うん。」


涼子の手前、そーゆー素振りを見せるわけには行かない。
あたしは言われるがまま、綾哉と準備室を出た。


「変態教師め。」

「…………。」

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Addiction ©著者:結月 杏奈

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