2章:モラトリアム (4/37)

ベランダから準備室の方を見る。


「……はぁ。」

「なんだ、悩み事？」

「ううん、溜息がでるお年頃なのよ。」


委員長は、そうかと鼻で笑った。


最近、前にも増して涼子が高野にベッタリで休み時間も近づけない。


落胆し教室に戻ろうすると携帯が震えた。


《今日うち来る？》


自然と顔がニヤける。


「今度はニヤニヤしたいお年頃？」

「コロコロ変わるお年頃なの。」


綾哉が居ないと教室は静かだ。
群がる女子たちは化粧直しに消えている。