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1章:春夏秋冬
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「ねぇ、どーゆーつもり?離して、桐谷。」
「だって、おまえ一人で帰せねーだろ?」
校門を出たところで、ようやく開放された。
「あんな事よくあるのか?」
「ううん、手紙なんてはじめて。」
「そうか…。」
いつもとは別人のような顔。神妙な面持ちの桐谷は調子が狂う。
「平気か?」
「勿論。このくらいなんともないよ。」
あたしの顔を見て、桐谷はなんとも微妙な表情で苦笑いした。
「桜井か、懐かしいな。」
「桐谷、話した事あるの?」
西日が照らす校舎。桐谷は上を見上げた。
「あぁ、屋上で時々な。」
「屋上で?」
あたしもつられて屋上を見上げる。
「そ。具合いが悪くなった時、外の空気を吸うと落ち着くんだって。だからアイツよく来てたよ。」
知らなかった。
もしかして、だからあの日も屋上に?
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Addiction ©著者:結月 杏奈
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