7章:癒えない傷 (27/27)

『……………』


声も出なかった。




何が起きたかさえも分からない。




というより、何も考えられなくなった。



よく漫画でショックな事があると目の前が真っ暗になるとかいうけど、そんなもんじゃない。




思考回路がショートして何も色がなくなるんだ。





心臓も脳も全て止まった気がした。

今、自分が呼吸してるかさえ分からない。




あたしがもっと大人だったらなんて答えたんだろう。



あたしがもっと子供だったらなんて答えたんだろう。




やっとの思いで出した答えは


『あ……うん。』



なんて間抜けな返事なんだろう。