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5章:追憶
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『そっか。美優ちゃんは親御さんに大事に大事に育てられたんだね。
あ、もしかしてお嬢様だったりして?』
佐藤が小さな目をさらに細めて笑う。
『お嬢様とかじゃないよ〜。
あ、佐藤さんそろそろデザートかな?』
店屋物を毎日食ってるお嬢様に逆に会いたい。
あたしは話題を変えた。
『おぉ、そうだ。よし、皿を片付けてもらおうか。
あ、その前に!!
忘れないうちに渡しとこう。じゃじゃじゃじゃーん!!プレゼント!!』
佐藤は今日一番の笑顔でさっき持っていた綺麗にラッピングされた紙袋を差し出してきた。
『わぁ!!本当に?ありがとう!!開けてみていい?』
『どうぞ。恥ずかしいから、仲居さんがデザートを運んでくるまでに急いで見てくれよ?』
綺麗なラッピングを丁寧に外して現れたものは、あたしの予想を遥かに越えた悪趣味な洋服だった。
ここまで来るとあたしは佐藤を少し尊敬した。
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