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9章:償い
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9章:償い
ガヤガヤと賑わう居酒屋、仕事帰りのサラリーマンが皆顔を赤くし冷たいビールで喉を潤していた。
マサキ「 俺さ、嫁にバレたって聞いた時、雅哉殺されんじゃないかって思ったよ... 」
雅哉「 いや、あまりにも冷静すぎて逆にすげー怖かったよまぢ。 」
マサキ「 ずっと知ってたんだもんな... 忍耐力ハンパないな... 」
雅哉「 俺なら耐えられない。 申し訳ないけど、浮気するって知ってて笑顔で送り出せねーよ。 」
例の事件以来、雅哉は女関係は全て断ち切っていた。
何を言われる訳でもなく、こうして友人と仕事帰りに飲む時は写真を送信するようにしていた。
雅哉はいつものようにマサキと二人の写真を撮ると優梨にそれを送り何もやましい事はしていないと安心させている。 そんな姿があまりにも哀れでマサキは笑っていた。
マサキ「 何で言われても無いのにそんな事すんの? 」
雅哉「 だってさ、全部知ってたんだぜ? 全部。 名前、バイト先、俺がマナミと会ってたのも全部。 盗聴されてんのかと思ったよ。 」
マサキ「 今日優梨ちゃんは? 」
雅哉「 聖子ちゃんと買い物。 服欲しいんだってさ。 少し多めに小遣い渡しといたよ。」
マサキ「 ごめん。 ちょっと面白い。 お前が女の尻に敷かれてるなんて、いや、まぢうける。 」
雅哉「 はぁ... 大人しくて可愛い世間知らずの女の子だと思ってたんだけどなぁ。 魔性の女だなありゃ。 」
マサキ「 せめられたりしねーの? 」
雅哉「 全く。 まるで何も無かったかのように今まで通りだ。 ただ、 気に食わない事があるととんでもなく低い声で威圧するけどな... 」
マサキ「 うー怖い怖い。 そのぐらい強い子じゃなきゃお前の嫁は務まらないかもな! 」
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