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5章:ふら…と (4/9)






私『いらっしゃいま…



えっ
どうしたの
待ち合わせかな?』





来たのは息子くん





息子『いえ…今日は1人です。』


スタッフが息子をわりと静かな席に通した。
キャストは勝手につけないから指示待ちをする。




スタッフ『リクさん指名で


私『なんでニヤニヤしてんの。』


スタッフ『鈴木さんの息子でしょ?』

私『そうだよ』



スタッフ『親子どんぶりじゃん』


私『ばか!下品な奴だな



スタッフが私に叩かれると思って走って逃げた。

息子の名前は拓実




拓実『どうも。』


父親と同じようにウイスキーの炭酸割りを飲んでいる。




私『なんでも飲める?』


拓実『いや、そんな飲む事なかったんでわかりません』


私『そっか

それにしてもよく来たね〜』


拓実『ですね


私『なんか、心境の変化でもあった?』


拓実『仕事、とりあえず続ける事になったんで…。
父親が、リクさんが心配してるって…。』



私『へえそんな話までするんだ?

なんもしなそうなのに。』



拓実『うるさい事は確かに言われませんね。』


私『拓実くんはなんでも順応したり、順応しないと、と思う気持ちが強そうだから疲れやすいんじゃないかな、と思うって事は話した事あったよ。

そうだとしたら
キャパ越えしても気付きにくいから。』



拓実『ああ…』



びっくりした顔をしていた。



私『私はビビりだから…』

拓実『え?』


私『ビビりだから半分くらい手を抜くようにしたら、ちょっと楽になった

ってか
え?って…意外



拓実『はい…。

自信あるように見えるから』




私『私のこのキャラで
不安そうな顔とか似合わないでしょ?(笑)

常に演技だよ。
演技派女優だから♪』




拓実『へえ





ゆっくりではあるけど
キャッチボールが出来ていた。



私『拓実くんも意外だよ。』





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表と裏 ©著者:愛希

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