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8章:H
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「レイはもっと
自分勝手になっていいと思う。
言いたいこと言えばいいのにって。
私には理解できないよ?
好きなら会いたいし、
連絡も取りたいし
ワガママだって言いたいと思う。
彼らはそれが仕事だし、
もっと自惚れればいいのに。」
そう言って先輩はビールをグイッと飲んで
おしぼりで口元を抑える。
「綺麗事かもしれないけど
彼らだってホストの前に男だよ?
アフターも休みの日も
何に使うかは自由でしょ?
私がレイみたいな対応されたらもっと自惚れてるだろうなー。」
今度はコロッケをむしゃむしゃ食べ始める先輩。
真剣に答えてくれてるようで
しっかりビールは飲むし
コロッケは食べる。
何だかその光景に自然と笑えてきた。
「……めちゃ食べますね。」
「え?そう?
レイも食べなって!!
頭使うとお腹空くでしょ?
ほら!」
半分に切ったコロッケを差し出す先輩。
「枝豆で大丈夫です。」
「ふーん、じゃあコロッケ食べちゃうから!」
「どうぞ。」
この人が先輩でよかった。
そう、改めて感じた。
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