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最近、少年は友達からパンをわたされることがある。
もしかすると友達にこの場所を教えることで、少年の悩みも解決に導かれるのかもしれない。
もしくは解決できないとしても、その苦しみを和らげてくれるのかもしれない。
そんな考えを少年は頭に浮べながら、少しだけ気を紛らわせる。
この場所を友達に知らせることは、今日まで誰にも言わずにきた。
なぜなら誰にも言わず、一人で過ごすことで、それまでの悩みを、のり越えてきたからである。
少年は、猫や鴨の親子とふれ合うことで、胸の奥にある深い闇を晴らすことができた。
もし同じような悩みを持つ者を、この場所へ連れて来ることができたら、少年の頭に浮かぶ良からぬ出来事も未然に防げるのかもしれない。
その友達の闇が払われて、それと同時に少年の悩みも晴れてゆく。
ふたつ並べられた暗がりが、うまく引き寄せられて結びつくことで、上手に消え去るような思いにかられる。
もちろん、それが実現するのかは分からない。
また今の状態で挑戦することも考えられない。
少年はパンをちぎり鴨に渡しながら、そのような考えに浸っていた。
しかし少年は決断できずにいた。
これまでの体験が頭の中で巡りながら、何をすべきかを選べずにいた。
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少年日和 ©著者:香澄怜良
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