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そこに辿り着こうとする少年の前に、いつもとは少し違う光景が目に映る。
その場所に近づく頃、猫が小川を見つめる姿を目にする。
猫の視線の先には、鴨の親子が泳いでる。
少年は不吉な思いにかられながら、いつもと変わらすカバンからプレートを出す。
そしてミルクをプレートに入れると、いつものように猫は舌を出して舐め始める。
最近では、ミルクをプレートに入れる少年を眺めながら、猫は催促するように
「ミャー」と鳴く。
まるで少年へ擦り寄るように鳴き声をあげる。
その可愛らしさを目の当たりにして、少年は心が穏やかになるのを感じる。
しかし先ほどの猫の姿を見ると、悪い予感が頭に浮かぶ。
本来、猫は狩猟系の動物である。
鼠を獲物として捕らえることを考えれば、その他の生き物に目を向けてもおかしくはない。
そのような考えが、少年の思考を良からぬ方へ向かわせる。
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少年日和 ©著者:香澄怜良
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