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3章:警察犬さんボールです!
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3章:警察犬さんボールです!
『警察犬さん!ボールを持ってきたわん!』
警察犬さんの前でボールをポトリと落とすと、警察犬さんはボールの臭いをクンクン嗅ぎ始めた。
『何してるの?』
『このボール、色んな臭いがするな。今日このボールを色んな奴が触ったんじゃないか?』
『その通り!』
『誰が触った?』
『僕とご主人様!』
『それ以外!』
『よその飼い犬と飼い主!』
『まだ居るだろう?』
『人間の子供達とママさん!』
『ふむ、臭いがごちゃ混ぜになって手掛かりとしては弱い』
『なんで?』
『犬は嗅覚が優れているからな』
『きゅうかく?』
『臭いを嗅ぎ分ける力さ。
特に我々は訓練でその力を鍛えられてる』
『僕はまだそんなに臭いの違いが分からないよ!』
『君はまだ仔犬だからな。
大きくなったら分かるようになるさ。
ちょっと君の体も嗅がせてくれ』
『分かったわん!』
警察犬さんは僕がご主人様にナデナデして貰った辺りを嗅いできた!
『ふむ、君のご主人様の臭いは大体記憶した。もし臭いを感じた場所があったら教えてあげるから、また今度おいで』
『また今度じゃ遅いわん!』
『すまんが今私がしてやれる事はこれが精一杯だ。
なんなら他の犬にもボールの臭いを嗅いでもらって協力して貰うといい。頑張るんだよ?』
『頑張るわん!』
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