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31章:私が得たノウハウ side:洋介 (1/6)

31章:私が得たノウハウ side:洋介

(そうだったのか…。)

そんな背景があったとは知らなかった。


いつもニコニコして文句1つ言わなかった姫乃の姿を思いだす。


姫乃だけではない。


喜楽のキャストみんなの背景を知っているわけではない。


「俺は、今まで何をしてきたのかな。」


そう漏らすと、


「今まで何をしてきたのかは関係ない。

これから何をしていくかだ。」


と、姫乃に突っ込まれた。



(これから何をしていくか…。)


姫乃のノートに視線を向ける。



自分には読めないような本から、

風俗の仕事に活かせるようなノウハウを抽出し、

わかりやすくノートにまとめてくれている。



でもこれは姫乃が作りだしたものだ。

自分の手柄にするわけにはいかない。


すると姫乃は、

「私は喜楽で働けたことに感謝している。

そのノートはいつか恩返しができればと思って作っていたものだ。

もし使えることがあれば、
使ってほしい。」


と、声をかけてくれた。



なぜ、そんなことができるのか…。


自分で一生懸命作り上げたものを、簡単に人に渡してしまうなんて…。



"与えよ、さらば与えられん"。



ノートに書いてあった言葉を思いだした。


姫乃はそれを忠実に実行しているのだ。


「ありがとう。」


そう声をかけ、姫乃より先にバーを出た。


このノートに書いてあることを、姫乃が喜楽で働いている間にできるだけ実行してやりたい。



時間がない…。


急いで自宅に帰りパソコンを開いた。
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わたしは風俗コンサルタント ©著者:白咲 姫乃

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