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66章:‡目立ち狸の皮算用‡
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66章:‡目立ち狸の皮算用‡
とにかくこの節、それ迄は福祉だのボランティアだの、なんて全く縁のなかった皆様が、それこそがステータス、とばかり、頑張ってましたね。
ある程度の社会的地位の在る皆様が集まって、一言で言えば、ボランティア合戦を繰り広げてました。
連絡協議会、みたいなモノ迄在って、互いに連絡を取り合って、重複を避けよう、と言う事だったようです。
でも、バブルの頂点に達しようかと言うこの節、もう、ボランティア熱がヒートアップしちゃってまして。
その筋の雑誌も結構有りましたし、テレビでもよく取り上げられてました。
人間って、自分よりも不幸な人を見て、その人達に何かを施す事で、安心感やら自分自身の存在意義を感じるのだそうです。
が、こうなって来るともう、他団体との競争になりまして。
ある程度の社会的地位の有る皆様の、或る意味、見栄と外分と。
な〜んか勘違いされてるような皆様も。
街路樹の根元に、自分達の団体の立て札を立てたり、花壇の側面に、そんなプレートを貼ったり。
ご多分に漏れず、この狸もその代表。
子供とのふれあいって、歓迎もされてないのに、何が何でも、触れ合って、取材をさせて、ヒーローになりたいらしいのです。
この狸からは、耳にタコが出来る程、孤児だの身寄りがないだのって聞かされました。
だったら里親にでもなるつもりはないのか?
なんて質問は、愚問でした。
愁弥を連れて帰って、一番大変なのは凪でした。
生真面目と責任感が、服を着てるような性格。
一見すると、モデルタイプのイケメン、そんな堅苦しい雰囲気なんて全然ないのですが、万が一、大変なんです。
今でもそうなんですよね?
蓮は結構自由にあちこちに行ってるんです。
お店だって、番外編に綴らせて戴いた通り、しっかりとされた部下の方が居るのに、凪は相変わらず、万が一をモットーに、日本を出られずに居ります。
こんな事書いてると、電話でも来そうですが、蓮の分迄、忙しくしてるみたいです。
レビュー、栞、ありがとうございます(*^o^*)
お付き合い下さいm(_ _)m
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