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27章:†The last order†
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小手毬学園の学園祭から、3週間が過ぎた。
今日で、居酒屋凪は、いよいよ閉店する。
それで、私は手伝いに行く。
なんだか、あっと言う間だった。
色んな経験をした。
少しだけ、私を大人にしてくれた。
少しだけ、私に知恵を授けてくれた。
少しだけ、私に忍耐を教えてくれた。
少しだけ……
いや、違う。
少しじゃない。
ただ、私が吸収し切れなかっただけ。
凪は、この何週間かの間に、これ迄居酒屋凪を可愛がって下さった皆様に、お礼に回ってた。
本当に、本当に、今日でお終い。
夕べ、凪が実家に泊まったので、今朝は蓮が居る。
朝食は、蓮に合わせて、琉斗の洋食。
メイプルシロップのフレンチトーストと、クラムチャウダーと、サーモンマリネ、鰹のカルパッチョ、ムニエルと、シーザーサラダ。
魚好きな蓮の為の朝ご飯。
今日、みんな仕事はお休みした。
勿論煌璃も。
人数は多過ぎるけど、みんなで最後を見届けよう、と言う話になった。
初めの内はひっそりと、蓮と私だけ、と考えたのだが、家族はやっぱり家族。
蓮が夕べ
〔みんなで、凪を労ってやって〕
と言った。
それで急遽、芳樹は蓮の意向で難なく有給を、有弥も有給を取った。
幹耶は当直明け。
そして、蓮が言った。
『突然で、申し訳ないんだけど、航太君、君、出て行ってくれないかな?』
と静かに。
その言い方は、普段私達が言ってるような、感情的な口調ではなかった。
航太の顔色が変わる。
『どう言う殊だ?』
と航太が、食べるのを止めて、蓮を見た。
『もう、前の事をぶり返すようで悪いんだけどね。
君、幹耶の勤める園で、とんでもなかったんだってね?
それに、普段も何もしてないんでしょ?
これ以上の慈善事業は、家じゃ出来ないし、家族達にもさせたくないんだ。
それに、僕はこの磨夜が可愛い。
この子には、もっともっとのびのびと生活させたい。
此処が、この子の家だから。
でも、君の家じゃない。
理解して貰えるよね?』
『………』
『夕べ寝る迄のほんの僅かな時間に、君は、何度磨夜に暴言を吐いた?
僕はその場では黙ってたけど、たった僅か数時間の間だ。
君には普通の事みたいだけど、あれは酷すぎる。
挙げ句、お酒を飲むだけ飲んで、後片付けもせずに、一番先に布団に行ったよね?』
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