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25章:†高僧と生き仏† (28/28)

どう説明したらいいのか、考えた。

本当の事なんて、とても言えない。

すると高僧が

『亡くなられた方のご供養に参ります』

とだけ言った。

『そうですか?

でも、確か仏壇は無くなったような事を聞いたんですけどね?』

『焚き上げを致します』

と言うと

『あそこん家は、悪いのがいっぱい居そうだから、しっかり頼みますね』

と言った。

航太の後を追う。

空き地に行く。

夕べ燃やした後が残ってた。

『航太、お婆さんの物を全部此処に持って来るんだ』

と高僧が言った。

航太は、面倒臭そうに中に入る。

何往復かして、航太が持って来たのは、もう、擦り切れたような着物が3着と、肌襦袢が2着、長襦袢が3着、それに、ズボンやブラウス、下着類だった。

それに、火を点けるのだが、湿っていて、なかなか点かない。

すると琉斗が、食堂に行くと、灯油缶を持って来た。

ほんの僅かだが、底に灯油が残ってた。

それを、纏めて積み上げた、衣服の山に掛けた。

そして、火を点ける。

一気に燃え上がった。

その周りに、水を撒いた。

でも、紙とは違うので、燃えカスが舞い上がるような事はなかった。

そして、高僧の読経が始まった。

みんなで手を合わせた。

が、最初の内は、薄い灰色の白っぽい煙だったのだが、段々とその煙は、黒くなって行き、僅かな衣類を燃やしてる間に、真っ黒な煙になった。

何か特別な化学繊維、と言うワケでもなかった。

でも、真っ黒、正に漆黒のような煙が立ち上った。

風は微風。

強い風ではなかったが、でも、無風状態ではない。

それなのに、その真っ黒の煙は、まるで気体ではなく、固体のように、黒い柱となって、空を突き刺すように登って行った。

不気味だった。

そして、いよいよ最後の最後が燃え尽きようとした時に、動物が絞め殺されるような、悲鳴が轟いた。

すると、空に雲が沢山集まって来た。

勿論、偶然だとは思うが、そのまま、にわか雨となった。

天気予報では、今日は1日晴れる、と言った。

とにかく、急いで部屋に帰る。

ご近所も、慌てて洗濯物を取り込んでた。

が、もう一つ不思議だったのは、その焚き上げた場所を振り返ったら、何の燃えカスも残ってなかった。

全てが燃えてしまっていた。

全てが燃え尽きてから、大粒の雨が降り出したのだった。
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†ふぁみりぃ† ©著者:Jude(ユダ)

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