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18章:‡脱皮!‡ (26/27)

確かに、和人参は、普段食べる短くてコロコロとした洋人参よりも、ちょっと渋みが有って、土の香りがする。

私が本当に幼い頃は、この人参が主流だった。

細くて長くて。

ごぼうと人参は、同じように目に移った。

ごぼうのように土が着いていた。

そして、固かった。

だから、初めて洋人参を見た時には、玩具みたいだと思った。

予約表を見る。

予約は今週いっぱいで、後は白紙だった。

もう、予約は取らないようだ。

何時も、沢山埋まってたのに、何だか寂しい。

『りぃ、レジカウンターに、挨拶状を用意して有る。

会計の時に1人ずつに渡してくれ』

と凪が言った。

『………』

水樹さんが、鰯を開く手を止めた。

鰯の天ぷら、人気だった。

『うん、了解』

それ以上何も訊けなかった。

ホールに行く。

やっぱりもう、入り口に居た人は、何処にも居なかった。

神様だったのだ。

もう、このお店に神様は居ない。

守る必要がなくなったから。


蓮が、カウンターに居る。

『りぃ、お疲れ。

そっち大丈夫?』

『うん、何とか。

凪、思ってたよりも、落ち着いてる気がするんだけど?』

『うん、お店に居る間だけね。

帰ると、殆ど口利かない』

『そっか……』

『磨夜どうしてる?』

『明後日診察なんだけど、もう凄く食欲有る。

朝もお代わりするし。

それに、随分話すようになったし、声を立てて笑うようにもなった』

『そっか〜。

俺、暫く凪と一緒に居てやりたいからさ、頼むね』

『うん、芳樹も有弥も琉斗も居るし、大丈夫だよ。

有弥がね、漫画をいっぱい買って来てる。

特に有弥とは気が合うみたい』

と開店らしい。

辰也が暖簾を出した。

〔いらっしゃいませ!〕

《いらっしゃいませ!》

ご近所さんトリオだった。

この3人は、もう年金で暮らしてる、お祖父さん達。

この凪の店で一杯やるのが、日課になってる。

特に深酒をされる事も無く、好きなお料理を数品召し上がりながら、ゆっくりとお酒を楽しまれる。

あの大将が、元気だった頃からの常連さん。

お通しが楽しみだと、何時も仰る。

『お?お姉ちゃんかい!?

珍しいな?

どうだ、あっちの店は?

また、お邪魔しようって言ってたんだよ』

『はい、ありがとうございます。

お蔭様で、何とか順調に』
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†ふぁみりぃ† ©著者:Jude(ユダ)

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