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16章:‡ジジとババの逮捕劇‡
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翌朝、有弥は自由出勤なので、お休みにしたようだ。
熱の引いた磨夜と一緒に、朝風呂に行った。
磨夜は今朝も、夕べお店から持って来た、ステーキのクラブサンドと、野菜スープと、チーズ入りのサニーサイドをしっかり完食した。
体力が戻りつつ有った。
お薬を飲み切ったら、一度連れて来て、とモンちゃんが言った。
連れて行くのは月曜日になる。
熱が下がったから、と言って、お風呂も考えモノだが、でも、また休ませればいい。
有弥が声を掛けたら、磨夜も入りたい、と言った。
琉斗と私は、家事を始める。
ミルフィーが居ない………
〔ミルフィー、気持ちいい?♪〕
洗濯をしようと、洗面所兼脱衣所に行ったら、有弥の声。
また、入ってる。
ミルフィーの毛質は、わんこで言えば、ポメラニアン。
だから、乾くのも早い。
変なにゃんこ。
磨夜は、ちゃんと服や下着をバスケットに入れる。
昨日迄着ていたパジャマ代わりのスウェットも、ちゃんと洗濯に出した。
まぁ、感染の可能性は無いとは思うのだが、磨夜の分だけ別にした。
それを回すと、お掃除。
琉斗が、外を掃きに行く。
私はトイレ。
と、暫くすると、琉斗が戻って来て
『女将さん、営業してる!』
と言った。
『営業?』
『うん、前の家の小母さんの前で、泣きながら、お金が無いって言ってる。
それで、お金貰ってた』
呆れた!
昨日、お見舞い金を貰ってるし、山勝軒の大将だって、お見舞いに行ってるのに。
きっと女将はあちこちに行って、私の悪口をつらつらと並べ、私のせいだと、こじつけの理屈を言って、今日1日は、悲劇のヒロインになるのかも。
とは言え、厚かましいのもいい加減にしろ!
前の家の小母さん、中山さんではない。
中山さんは、絶対にお金なんて渡さない。
その隣に芝田さん、と言う、もう80才を超えたお婆ちゃんが独りで暮らしてる。
時々、娘さんらしきおば様が、様子を見に来てる。
足腰は丈夫で、綺麗好きなお婆ちゃんなので、何時もこの時間帯になると、道を掃き出す。
煌璃にも、娘さんご夫婦と、お孫さん一家と一緒に、お食事に見えてくれてる。
曾孫のアヤカちゃんが、もう、それはそれは可愛くて仕方ない様子だった。
穏やかで、何時もニコニコしてるお婆ちゃん。
しかし、お年寄りをターゲットにしてるのか?
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