ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

15章:†神様の居場所† (28/28)

『お袋さんも、兄弟の人達の意見に賛成らしい。

お袋さんは、店が残ってたら、色々思い出すからって言ったんだって……』

『そんなの酷いよ!

お兄の店、無くなっちゃうなんて!』

と有弥が言った。

『凪は、こんな事も有るんじゃないかってずっと考えてて。

だから、自分が買い取るつもりで居たんだ。

でも、兄弟の人達は、売らないって。

自分達の物として残すって言って、大将のすぐ下の弟さんが、オーナーって事で、駐車場にするんだって。

駅に近いし、あの辺に月極めの駐車場って無いし。

それに、あそこの土地、まだ、値段が上がるからって言う事みたい』

と蓮が言った。

『じゃ、みんなで署名活動して、その人達にさ……』

と有弥が言い掛けると

『お前、大人になれや』

と芳樹が言った。

『こうした事って、どうにもならないのかな?』

と幹耶。

『順番だから、どうにも出来ないかも』

と芳樹。

『じゃ、お店を存続させたいって言ってるのは凪だけなの?』

『うん……

かなり、色々話したみたいなんだけどね。

でも、お祖父さんの土地には、お祖父さんが居るって。

自分達の親なんだし、それを、凪に独り占めにされるのは、納得出来ないって言われたんだって。

それなら、自分達の子供だって同じ事なんだって。

凪ばかり特別って言うワケにはいかないって。

で、凪独りになりたいって言って、今、マンションに居る』

『神様になったお祖父さんは、あの店が在ったから、居場所が有ったのに。

でも、更地にしちゃったら、居なくなっちゃうよ……』

と琉斗が言った。

もしかしたら、あの入り口にずっと居た人、お祖父さんだったのかも知れない。

入り口で、お客様を迎えて、そして見送って。

お祖父さんのお店だったのだから。

そう言えば、大将が亡くなった時、その姿が消えていた。

こうなる事が解ってたんだ。

だから、消えた。

ずっと、ずっと、居酒屋凪の、その前からのお客様を、迎えては、見送って来た。

お祖父さんは、お店が大好きだったのだ。

だから、孫の凪の事を見守って育んで来た。

凪の才能は、このお祖父さんの力だったのかも知れない。

お祖父さん、今何処に居られますか?

お祖父さんの居場所って何処ですか?

もう一度、お会いしたくなりました。

お話したくなりました。
479 /6348

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

†ふぁみりぃ† ©著者:Jude(ユダ)

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.