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14章:‡想定外の天罰‡
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因みに私、この年になりながらも、老人介護の実体を知らない。
両親は、沢山の兄弟達の下の方。
両親世代は、兄弟が沢山居た。
確かに、母方の祖母が、半身不随で寝たきりで、みんなで交代で介護をしてた。
が、それは記憶に有るのだが、まだ、幼稚園にも行かない頃の事。
父方の祖母も居たが、でも、父の姉夫婦と一緒に暮らしてた。
そして私は、祖父を全く知らない。
なので、お年寄りに対して、その必要を満たして差し上げるとか、気遣うとか、全く出来ない。
現在、母は、83だが、ピンピンしてる。
隣組み長をやり、老人会の会長をやり、会計迄。
しかも、私は未だに足利近辺に居るが、母は都下の都営に1人で住んでる。
近場にりか一家が在る。
が、母は何処へ出掛けてるのか、りかが娘と様子を見に行っても、殆ど留守らしい。
時々電話が来るが
〔お食事会が有ったのよ!
楽しかったわ♪
やっぱり、ボージョレーは美味しいわね!〕
だそうだ。
ふざけた年寄りだ!
って殊で、私はお年寄りらしいお年寄りに、恵まれてない。
で、今に至る。
あ、漂流してる。
この節に帰る。
確かに、お年寄りに対しての知識も気遣いも皆無だが、幾ら何でも、酷い!
お粥を炊いて、お魚を煮る位の気遣いも無かったのか!?
鬼嫁、なんて言葉が有るが、この女将の為に有るように思えて来た。
鎮火は早かった。
30分位で、煙りを残すだけとなった。
でも、消防士さん達は、しつこい位に、消火してた。
その努力の甲斐有って、燃えたのは、厨房部分だけで、表側は残った。
地元紙らしい新聞記者が、写真を沢山撮っていた。
どうやって、この火事を知ったのか、本当に不思議だった。
現場検証が始まった。
みんな、バラけて行った。
やっぱり、ガス爆発らしかった。
しかし、凄い振動だった。
確かに近いが、でも、100米近くは離れてる。
それでも、一瞬、地震だと思った。
『想定外……
でも、保健所からの通知も、許可取り消し』
と琉斗が呟くように言った。
金子食堂は、これでなくなった。
めでたし、めでたし……
とも言い切れない。
あの2人の、生活の課程がなくなったのだ。
まぁ、仮に営業を続けていても、あの店の状態じゃ、お客は来ない。
琉斗が言う通り、許可も下りないだろう。
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