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13章:†父の背中† (23/23)

もしかして?

と思えるお顔も結構在ったのだが、沢山の人達が居て、挨拶をしようとしても無理だった。

ホールには、夕べのように畳が敷かれ、直会の準備が始まった。

でも、ご近所をもてなす事が中心なので、私達は遠慮する事にした。

この辺、仏式の場合は、ご遺体を焼いてる時に、お昼が振る舞われる。

ずっとそうだった。

でも、私にはどうしても、それに納得出来なかった。

今、焼かれてるのに、その間にお食事。

しかも、それ迄悲しんでたのに、みんな明るい。

どうして、そんな風に切り替えられるんだろう?

お酒も出る。

酔って赤い顔をした人達が、窯の前に行って、水を換える。

不思議な感覚だった。

でも、凪達はそれをせずに、帰って来てからの食事になるらしい。

琉斗が、唐揚げを揚げ始めると、悠斗がお刺身の盛り合わせのお皿を用意し始めた。

悠斗は新たに大根で、小さな菊のような花を、お皿の数だけ作った。

その大根の花の上に、人参の千切りをあしらい、山葵を置くようだ。

例えは悪いが、玩具のような、そんなお皿が出来上がる。

斎場に行かないで残った人達が、出来た料理をテーブルに運ぶ。

紛れて私も手伝った。

大将が、此処に居るように思えた。

〔りぃちゃん、疲れてるのに、ごめんよ。

助かるよ〕

〔りぃちゃん、唐揚げと刺身が5卓ね。

それと酢の物が3卓〕

〔遅く迄ありがとう。

これ、持って帰って、明日の朝ご飯のおかずにして〕

大将の声が聞こえた。

何時も笑顔だった。

面白い事を言っては、お客様を笑わせてた。

大将、凪頑張ってますから。

だから、ずっと見守ってて下さい。

凪は、若大将じゃなく、大将になります。

立派な板さんです。

みんな、凪の味が好きで集まります。

でもそれは、大将、あなたの味なんですよね?

私は大好きです。

世界一美味しいって思ってます。

大将、凪を料理人にしてくれて、ありがとうございます。

居酒屋凪。

凪は、自分の名前のこの店を、ずっとずっと大切にする筈です。

勿論、私達も。

凪の名前を付けたこのお店。

大将の、凪への深い愛情が伝わります。

凪は、大将をずっと尊敬してます。

これからも、ずっとずっとそうだと思います。

男の子は、父親の背中を見て育つ、と言うけど、凪は正にその通り、素敵な人です――――
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†ふぁみりぃ† ©著者:Jude(ユダ)

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