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12章:‡降霊;太陽の笑顔‡ (2/45)

どうして!?

思考回路にはそれしかなかった。

『芳樹、後頼む』

と蓮が言った。

『うん、落ち着いたら電話して』

と芳樹が言った。

私は、ただ泣いていた。

琉斗が玄関に来て

『姉ちゃん、泣かないで』

と言って、頭に手を当てた。

何故だろう?

琉斗にこうされると、気持ちが和らぐ。

『落ち着いた?

泣かないで見送って』

と琉斗が言った。

『行くよ……』

蓮が言った。

部屋を出る。

信じられない。

2ヵ月って話だったじゃん!?

どうして!?

余りにも痛がる大将に、強い薬を投与した。

そのショックで、大将は旅立った。

それが、医療ミスだとも言い切れない。

蓮は、凪の事だと言うのに、意外と冷静だった。

シルビアの助手席のドアを開けると

『りぃ、乗って』

と言った。

促されるまま、助手席に乗る。

そして、日赤に向かった。

日赤はすぐそこ。

蓮が警備員さんに事情を話して、病棟の前の、4つしかない駐車帯の1つに、シルビアを停めた。

『行こう』

そう蓮に言われ、車を降りる。

何処に行ったらいいのか判らなくて、取り敢えず、大将の居た病棟に行った。

ナースセンターが在る。

『すみません、阿佐美の親族ですが……』

と蓮が言った。

『残念な殊になりまして。

お悔やみ申し上げます。

霊安室にいらっしゃいます。

あのエレベーターで、地下に行って下さい』

と看護師さんが、普段は、ご飯のお膳の乗ったワゴンが利用してる、エレベーターを指差した。

そのエレベーターは、見舞い客は利用しないし、本当に奥まった場所に在るので、気付かない。

霊安室……

『りぃ、行ける?』

と蓮が訊いた。

『うん、行く』

そう言った。

蓮は私の手を握った。

一緒にエレベーターに載る。

蓮が《B1》と表示されたパネルを押す。

エレベーターは、素直にドアを閉じて、階下へ行く。

そして扉が開いた。

まるで、作り上げたかのような、静寂した空気が漂う。

真正面に、大きな蓮の花を描いた、扉が在った。

その扉の前迄進むと、蓮が、手を合わせた。

私も手を合わせる。

蓮と以心伝心なのか、凪がその扉を開けて、出て来た。

蓮は何も言わずに、凪を強く抱きしめた。

その瞬間、凪が声を上げて泣いた。

凪がこんなに泣く姿は、初めてだった。
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†ふぁみりぃ† ©著者:Jude(ユダ)

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