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10章:‡南の島の風‡
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帰る。
どーも、凪ご飯は食べ過ぎていかん。
お腹が重たい。
つい食べちゃう。
お蔭で、最近貧血もなく、体重も増加傾向に有る。
モンちゃんは喜ぶが、私的には何とも……
そもそも、パンダのようなモンちゃんに喜ばれても、疑問を払拭出来ん!
『姉ちゃん、銀行に連れてって』
ミラノの助手席で、琉斗が言った。
『あんた、お金持って来てたの?』
『うん、此処に有る』
と、ベストのポケットを触る。
『印鑑は?』
『有る』
と言う事で、通り道に在る、足利銀行へ。
一緒に銀行に行く。
待つ事30分。
『カナシロ様〜!
カナシロ……ライアン琉斗様〜』
『僕の事みたい』
『うん、そうみたい』
琉斗がカウンターに行く。
そして、通帳を持って戻って来た。
『僕、初めて通帳作った』
と言った。
『そうだったの?』
『うん、ホテルの給料って現金だったし』
『そこにお金貯めて』
『うん……
なんだか、不思議な感じ』
と言って私に通帳を見せた。
42万円有った。
『お兄からの給料も入れちゃった。
カードが2週間後に出来るって』
『うん、カードも作ったんだ?』
『その方が便利みたい』
銀行を出た。
家に帰る。
店長が居る。
外に迄、い〜い匂いがする。
シチューとカレーを煮てる。
『店長のシチューって、美味しいよねぇ』
と琉斗が言った。
『うん、確かに美味しいよね』
と言った。
琉斗は、サンルームに居るミルフィーに、硝子越しに挨拶すると、一緒に玄関に行く。
部屋に入る。
ミルフィーのお出迎えを受けて、リビングに行く。
琉斗は、翔の水を換えると、お線香を上げて、手を合わせる。
それから、床に手を着いて、一礼する。
我が家で尤も翔に敬服するのは、この琉斗だった。
とにかく、事有らばお線香を上げ、水を換える。
お蔭でミルフィーが忙しくなってる。
ユタの琉斗には、あの世の人は絶対のようだ。
そして部屋に行くと、着替え始める。
私は、すっかり空になったミルフィーの餌の容器に、餌を足して、水を換えた。
琉斗は先に店に行く。
私は着替えを始めた。
支度が済むと、翔の所へ。
翔、行くね……
〔ああ、ちばりよ〜〕
翔が沖縄人になってる。
翔、お店においで。
〔気がむいたらな〕
なによ、それ?
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